微小電圧(数10mV)の音声サンプリングとそのFFT(1mV成分)  型番LDSO-S デジタルオシロの分類



一般にデジタルオシロはミッドレンジ(約0.1-5V)が特性が良く出るよう作られています。
当機は1mVのFFT分析もできるデジタルオシロとして設計されています。1mVのFFTまでできるものはなかなかです
AD分解能 = 14bit メモリ 64M サンプル とパーソナル計測器、最高分解能最長メモリのレベルです。(*1)



以下、実験によって、1mVのFFT分析をしていきます 


簡単な環境で音声サンプリングができます
ヘッドホンを使いました。ヘッドホンに向かって発声すると、3極プラグから電圧が出ます。音を感じて空気振動から微小発電します(電源、アンプなしで)。この電圧を直接サンプリングしてみます
今回R、L、GNDのうち、LとGND間でサンプリングしました。ヘッドホンはインピーダンスが32Ωあるものを使用したので、少し大き目に発声しなければならないです
ヘッドホンは手軽に実験に使えますがマイクほど感度は良くないです




下図は、その音声波形(平均約10mVの片側振幅)のサンプリングです(約6秒間)
ここから、1mVの周波数成分をFFT分析します

測定条件
・CLK:  2us (CDのサンプリング 44.1K の約10倍)
・メモリ: 4Mサンプル
・DIV:  12.5mV

CLK = 2us DIV: 12.5mV, 196ms

合計5.4秒間(2カーソル間)、”あ い う え お” を区切りながら発声したものを連続サンプルしています。

” の部分のFFT分析をします
拡大すると、

  DIV: 5mV


周波数が安定していそうな2カーソル間を、FFT分析します
カーソル部分を更に拡大すると、

  DIV: 5mV

カーソル間振幅
Vpp = 13.8mV

※14bit-ADCサンプリングに加えノイズ除去技術を有効にしています


FFT分析を実行

 

音声は、1KHz以下に成分が集中する、左端の2カーソル間の電圧が高く出ている部分。
縦軸は対数目盛なので矢印以外の部分は、0.数mV以下のノイズ状成分。測定した部屋にはパソコンがあり極小ノイズ音は散乱しています
2カーソル間に絞って周波数成分を分析します、カーソル間を拡大 

 
2カーソル間のデータに対し、0.1mV 以上の条件で抽出させる ※テキストファイルを出力できます
1: 207.087Hz 4.1580 mV
2: 414.174Hz 1.3602 mV
3: 621.261Hz 1.3644 mV
4: 828.348Hz 1.1499 mV
5: 1.035KHz 0.1943 mV
6: 1.243KHz 0.2366 mV
7: 1.450KHz 0.1820 mV
1mV以下の成分まで検出できている

中心周波数は、1の207 Hz。その倍音成分が、2〜7。7は、0.182mV の微電圧も検出できている。対数目盛なので、1(中心周波数)と7の電圧差は、20倍以上ある。


  補足
オシロの高感度の説明に、”DIV最小が1mVから” という表現を見ますが、
DIVというのは、単に表示倍率なので感度とはあまり関係なくいくらでも小さくできます
せっかくDIVが小さい単位があっても表示した波形がぼやけていたらそのDIVはただの拡大に過ぎません
”FFTの成分で1mVでもクッキリ表示できるか”
これは具体的な感度の証明です


高周波のFFTは、対応した別型番があります(型番:LOSCL2B-DDR)


※ *1: 2011/8 当社調査



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