故障挿入/オープン・ショート試験(各認証試験用)

  新オプション :LOS
近年、各認証試験においてハードウエア(基板)の故障解析をする試験が国際的に実施されるようになりました
本オプションLOSはハードウエアに故障挿入をするツールです



●認証試験で実施される、故障挿入/オープン・ショート試験とは

故障挿入とは、回路を擬似故障状態にすることです。具体的には、外部スイッチでオープン・ショート試験という形で回路の任意のポイントに実施されます。それによって以下のような項目をチェックします
・規定のエラーが検出できるか
・回復できるか

代表例





●故障挿入の概要

(以下、解析対象となるハードウエアのことを、”ターゲット”とします)

ターゲットが動作中に故障挿入しないとならないため、オープン・ショートをするには幾つかの要件があります

・操作側と
アイソレーションされている
・ターゲット回路の通常動作に影響を与えない
・狭い空間で運用できる(ターゲットは製品によっては物理スペースがかなり狭い)

故障挿入オプションLOSの特徴
・動作するための電源が無いのでターゲットに電源電界の影響が無い
・高感度アナログ信号対応(同軸ケーブル対応)

・電子部品並に非常に小さいので、筐体の中に入れて基板に貼るイメージで使用できます
・手動スイッチのようなON/OFFチャタリングが無い
・最大30種類の故障挿入を、制御信号とタイミング信号とを設定時間差(分解能10ns)で正確に出力





●LOSオープン・ショートの概要


制御線の分類
  特徴
同軸ケーブル 信号がシールドされ非常に安定している。同軸コネクタは高さ3.5mmの最小サイズ
ツイストケーブル ツイスト線、ノイズ耐性もあるので低コストなら推奨。0.8mm汎用ヘッダピンにつき各種汎用コネクタ適用



タイプ分類
LOS-S: SSRタイプ

フォトカプラ+MOSFET構造。漏れ電流は極力小さいものを使用しています(10nA程度)
LOS-R: リレータイプ

部品高5.6mmと小さいですが、一般の信号リレーです

裏面に部品はありませんが、ハンダパターンがあるのでターゲット基板の上におくときはマスキングテープなどで保護下さい
※画像の部品シルクはモザイクしていますがユーザには公開します。一流の部品メーカーです

SSRかリレーを選択するのはユーザーが使用するターゲットから判断します
 参考
  SSR リレー
高さ寸法 高さ  4.5mm ※部品含む
基板外形 24mm × 10mm ※コネクタ含まず
高さ  7mm ※部品含む
基板外形 24mm × 10mm ※コネクタ含まず
ON抵抗 0.02 Ω (typ), 0.05 Ω (max) 0.1Ω以下
ON遅延時間 1.5ms (ON)、 0.1ms (OFF) 1〜3ms (ON)、 3〜5ms (OFF)
電流 2.5A、 リーク10nA 2A
電圧 20V (40V品も用意) 220V




●回路への故障挿入例


SSRタイプ
は高さ4.5mm、この基板のコネクタ10mmより低く筐体の隙間に余裕で入る
左の制御線は
同軸ケーブル選択

(基板にモザイクあり)

ここでは挿入したい回路の任意の故障ポイントに直接ケーブルでハンダしています
回路信号がアナログのシビア特性だと、数cm引き出しただけでも正常動作しなくなります
当LOSは、引き出し線長を最小限にできる物理構造があるのでこの
オレンジ線は9mmの引き出し線です。
左の制御線は同軸ケーブルの場合です
LOSを基板に固定する方法はユーザにお任せします

アナログ信号であっても特性が厳しくなければ、10cm程度の引き出し線は影響無い場合もあります。そういう場合は上図オレンジ線の部分を以下の方法にすると便利です
故障ポイントとLOSとの接続をこのようなケーブルにしておくと、取り外しが便利で、1個のLOSを何箇所の故障ポイントで使い回せます。市販の部品で作成できます
 ジャック・プラグ合わせて2cm




●LogicMOTHER接続


・LogicMOTHERはLOSを制御して故障挿入を管理
・LogicMOTHERは故障挿入に対し、遅延可変制御可能なタイミング信号(測定器などに使用)を外部に出力
LogicMOTHER1個で、制御信号、タイミング信号、合計最大30種類まで指定した時間差で出力可











  タイミング信号出力



  制御信号出力



LogicMOTHERは、LMBUFを装着
制御信号、タイミング信号、合計最大30種類まで指定した時間差で出力可
1制御信号に対し最大8タイミング信号割り当て可

タイミング信号: 故障挿入は、エラー解析も同時にするため、故障挿入したタイミング信号を計測器に出力することが必要です
信号仕様 3.3V、アクティブH
遅延分解能 10ns
出力内容 SSR、リレーは、制御遅延が約1ms有り部品バラつきが有ります。そのため各LOS毎にキャリブレーションしシリアル番号を付け管理することで、どのLOSも故障発生に対し、ゼロ遅延を実現しています

・遅延時間はカスタマイズできますので、ゼロ遅延以外にも分解能10nsで前後させることができる
・本数も遅延時間も様々に設定したものを複数出力可
例えば以下のように自由に設定できます。
制御信号が2本あり、その間隔は200msにする。タイミング信号は、制御信号に対し、-50msと+10msにする






※当ロジックアナライザーは、デルタコア社オリジナル開発です。
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